印刷物は素材となるものにインキを使って印刷されるものですが、素材や印刷方法、インキの種類や加工方法など、それぞれが奥深く簡単に習得できるものではありません。坂井印刷所では常に最適な印刷適性を判断できるように日々業務の中で研鑽を積んでいます。
- 素材
- 印刷物は紙だけでなく様々なものに印刷されます。
紙だけでもインキの定着しやすさや温度・湿度による伸縮率、印刷方法や加工方法との相性などあらゆる条件との組み合わせを検討しなければいけませんが、合成紙やフィルムなど紙と異なる素材への印刷は、また別の視点で注意する必要があります。
- 印刷方法
- 印刷方法は大きく分けて「凸版印刷」「凹版印刷」「孔版印刷」「平版印刷」と4つに分けられますが、細かく分けると10種類近くの印刷方法があります。
お客様が作りたいものに対してどのような印刷方法が最適かをご提案するためには、それらの印刷方法に対する経験と実績が必要です。坂井印刷所は古くから様々な印刷方法に挑戦し、経験を積んでいます。
- インキ
- 印刷のインキも豊富な種類があります。
特色と呼ばれる特別に調合されるインキ以外にもメーカーごとに異なったインキのブランドを持っていたり、印刷する素材に対して用いるインキも替える必要があります。弊社ではお客様に納得していただけるようにインキの調合をデジタルとアナログの両方の視点から行っています。また、特殊な用途のためにメーカーとインキの共同開発なども行っています。
- 加工
- 印刷後にどのような加工をするかということも他の要素に影響を与えます。
表面加工を行う場合は印刷方法や素材との相性を考慮する必要があります。折りや抜き、綴じといった加工についても同様に作業の効率性や不良品が出ないように意識しておかなければなりません。
商品属性を考慮した印刷適性を判断
坂井印刷所では単に印刷物を作る際の印刷する素材や方法、インキや加工などの「印刷適性」を考慮するだけではなく、その印刷物がどのような環境下で利用されるか、どういった目的で作られるか、パッケージの場合は何を入れるかなど、「商品属性」を含めて考えて、初めて最適な印刷物が完成すると考えています。
- 使用環境
- 印刷物がどのような環境下で使用されるかによって色の具合や加工方法、紙を選択する必要があります。屋外に設置されるポスターなどは耐光性のインキで印刷したり、水場では水を吸わない合成紙を使うなどの判断をします。また店舗における光源の種類によって色の見え方が異なるため、そういった面でも気配りが必要です。
- 使用目的
- 印刷物の目的に応じて紙や加工を検討します。パッケージでは商品を守るために通常より厚い紙を選んだり印刷後にPP加工を行ったりします。美術品関連では高精細のFMスクリーン印刷によって通常よりもさらにきめ細かい印刷を行うなど、目的に応じたて各要素を選択します。
- 内容物
- パッケージの場合、中に何を入れるかということも大切です。食品を入れる場合、匂いがつかないようなインキを選択する必要があります。また、重量が大きい物はパッケージの構造を理解し、万が一落下しても内容物が壊れないような設計を行うなど平面の印刷物以上に様々な視点で気をつける必要があります。